「ごめんね日菜子!遅くなっちゃって……」 掃除を終えた私は教室に戻り、日菜子にパンッと手を合わせて謝った。 日菜子は寝ていたようで、寝ぼけ眼でほよほよと私を見上げた。 「いいよ~。おかげでぐっすり寝れたもん」 ほっ、と私は息を吐き出す。 よかった、この調子じゃきっと飴が降ってたのも見てないよね…… 私は胸をなで下ろしながら帰る支度を始めた。 それにしても、今日は散々だったな…… でもちょっとカッコいいお兄ちゃんが見れたからいっか なんて能天気なことを考えていたのがいけなかった。