私は冷や汗をかきながら鞄に手をつっこんでゴソゴソと漁った。 えーっと確か、常備のやつがこの辺に…… 「日菜子、私お兄ちゃんに届けもの頼まれてたの忘れてた!ちょっと行ってくるね?」 「?」 私はいつも常備してるポッキーの箱を鞄から取り出し、まるごと日菜子に渡した。 「それあげるから、ぜーったいに、カーテン開けちゃダメだよ?」 「わかった~」 「あと、私が戻ってくるまで教室出ないでね!」 「うん」 人差し指を立てて日菜子に言い聞かせると、お菓子をもらってご機嫌の日菜子はコクリと頷いた。