待て。 騙されるな私。 いくらお兄ちゃんの顔してたって これはお兄ちゃんであってお兄ちゃんでないの! 玲人でなくて玲人であるの?? ん、あれ……? わかんなくなってきた…… これは…どっちとキスするんだろ――― 吐息が掠め、唇が触れ合う直前。 暴れまわる心臓の音を聞きながら、私はそっと 目を閉じた。