郁未は、あの一瞬で、人気者になった。


「あ、郁未ー!今度新しく出来たそこの喫茶店行ってみよ!」

「え?いいよ!」

「あぁ、もしかして学校の北側に出来たとこ?」

「そそ!なんか店員さんがね――」


……あの事件から三日。

日に日に郁未は、クラスに溶け込んでいった。


そりゃもう、すっげースピードで。


「木岐ー!3組から呼び出し!」

「あ、はーい!」


『呼び出し』

あれから三日しか経っていないのに聞き慣れてしまった言葉。


その意味する言葉とは――


「龍河くん、出動だよ!」


彼女は笑顔で俺をまきこむ。

――告白現場へと。