駅に着く頃には、既に夜の7時近くになっていた。
「7時30分頃に迎えがいらっしゃるのですよね。
うーん、この時間じゃ間に合わないな・・・」
彼が困ったように頭を掻く。
エリーゼまでは駅からだと10分はかかる。
「・・・あの、それじゃぁ・・・」
彼女が何かを言い出した。
しかし、語尾が消え入るように小さく、良く聞き取れない。
「はい?」
「・・・先日連れて行って下さった土手に寄り道しませんか?
そうすれば時間的に丁度良いと思います」
「お安い御用ですよ」
空にはランプの光と月光が、眩しく街を照らしていた。



