少し余談が続きますが、この作品に登場する警視庁サイバーパトロール課は、作者の創作であります。但し、本作品でも書きましたが、民間からの特別採用枠として、実際に特別捜査員制度はあります。その職務は、本作品に記した内容そのままです。実際の名称は確かハイテク捜査課ではなかったかと思います。自衛隊の記述部分に関しましては、これも敢えて実際の名称と創作を織り交ぜました。

 リアリティの濃度……今回は、この点に苦労した作品でもありました。とにかくいろんな意味で、後からじわじわと存在感が自分の中で大きくなりそうな気が致します。

 最後に、この作品が書けた背景には、野いちごで三年もの間書き続ける事が出来たからこそ生まれた作品という思いがあります。ひとえに支えて下さった読者の皆様から頂いたパワーが生んだ作品だと、胸を張って言わせて頂きます。

       稲葉禎和



*作品中、扉に書いた引用文は故三島由紀夫が実際に市谷駐屯地のバルコニーで演説をした際に、自衛官達へ撒いた檄文から抜粋させて頂いたものです。

 作者註として、文末に記載してあるもの以外は、全て作者の創作であります。又、記述中、おかしな点、整合性が欠けていると思われる部分がございましたら、ご一報頂けますと幸いであります。