金縛りにあったかのように、三山はその目に見つめられた。
収まらない激情が、更に涙を押し出し、嗚咽を零れさせた。
「……確かに貴女の言う通りかも知れない。自ら命を絶つという事で、全ての責任から逃避したんですね……。潔さ……本当は、それをこういう言葉で言い換えてはいけなかったんだ。さあ、早くそれをしまって」
三山は、突き出したままの銃を慌ててホルスターへ戻した。
「す、すみません、取り乱してしまって……」
「いいえ。心にも無い言葉で自供を促されていたら、私は言われた通りにしたかも知れません。貴女を撃つかどうかは判りませんが……」
垣崎は、まだ少し不自由な右手を伸ばし、
「書く物を借りられませんか?」
と言った。
三山は辺りを見回して、メモになるような物が無いと知ると、自分の警察手帳を取り出した。空白のページを引き千切り、ボールペンと一緒に渡す。
垣崎はそれを受け取り、指を震わせながら文字を綴って行った。
「司法の力が何処まで通じるのか……正直、期待はしません。本当の裏を知ってしまいましたから。ただ、一つ言い訳をさせて下さい。私が亡霊と言ったのは、何も言葉を粉飾しての事ではありません。事実……。隠しようの無い事実です。蒔田典孝……かれこそ亡霊。三山さん、亡霊というのは、人間が勝手に妄想で創り上げたものなんです。蒔田典孝をもう一度調べてみるんです。そうすれば、言った意味が判る……」
三山は、垣崎が書いたメモに亡霊の意味を悟った。
彼女は病室の外で警備に当たっていた捜査員を呼びに、部屋を出ようとした。
「三山さんは、行くんですか?」
その意味が、今夜の強制捜査だと直ぐに気付いた。
収まらない激情が、更に涙を押し出し、嗚咽を零れさせた。
「……確かに貴女の言う通りかも知れない。自ら命を絶つという事で、全ての責任から逃避したんですね……。潔さ……本当は、それをこういう言葉で言い換えてはいけなかったんだ。さあ、早くそれをしまって」
三山は、突き出したままの銃を慌ててホルスターへ戻した。
「す、すみません、取り乱してしまって……」
「いいえ。心にも無い言葉で自供を促されていたら、私は言われた通りにしたかも知れません。貴女を撃つかどうかは判りませんが……」
垣崎は、まだ少し不自由な右手を伸ばし、
「書く物を借りられませんか?」
と言った。
三山は辺りを見回して、メモになるような物が無いと知ると、自分の警察手帳を取り出した。空白のページを引き千切り、ボールペンと一緒に渡す。
垣崎はそれを受け取り、指を震わせながら文字を綴って行った。
「司法の力が何処まで通じるのか……正直、期待はしません。本当の裏を知ってしまいましたから。ただ、一つ言い訳をさせて下さい。私が亡霊と言ったのは、何も言葉を粉飾しての事ではありません。事実……。隠しようの無い事実です。蒔田典孝……かれこそ亡霊。三山さん、亡霊というのは、人間が勝手に妄想で創り上げたものなんです。蒔田典孝をもう一度調べてみるんです。そうすれば、言った意味が判る……」
三山は、垣崎が書いたメモに亡霊の意味を悟った。
彼女は病室の外で警備に当たっていた捜査員を呼びに、部屋を出ようとした。
「三山さんは、行くんですか?」
その意味が、今夜の強制捜査だと直ぐに気付いた。



