本庁の建物に入るなり、三山は全ての人間から驚きと好奇の眼差しを受けた。三山銃撃と、二度目の襲撃事件を知らぬ者はいない。まだ銃撃の傷が癒えていないだろうと、誰もが思っていた。その三山百合が、毅然とした態度、物腰で庁舎の中を歩いた。彼女の向かう先は、春まで自分が勤務していたサイバーパトロール課。サイバーパトロール課は、爆破テロに遭った事で、フロアが移されていた。そこへ三山が出向くと、知った顔の元部下達が笑顔で迎えた。
「やっぱり、この課は三山警視じゃないと」
「これで前までの課に戻る」
口々に課員達が言うのを聞きながら、三山は心地良さを感じてはいたが、心中は少し複雑であった。自分の後を引き継いだ下山課長が、テロの犠牲者になった事から、こうして再び復職出来た事実に、手放しで喜べない気持ちが働いた。
「三山課長、手代木局長がお呼びです」
内線電話を受けた課員が告げた。
「直ぐに伺うと伝えて」
連絡が入って五分後、三山は局長室の扉をノックした。
「ご無沙汰して居りました」
手代木と顔を合わすのは久し振りだ。
「堅苦しい挨拶は抜きにしよう。いきなり本題だが、川合俊子の件、君が捜査キャップとなって事件解明に当たって欲しい」
「はい!」
思いもよらぬ話であった。
三山は満面に笑みを浮かべ、手代木に何度も頭を下げた。
「やっぱり、この課は三山警視じゃないと」
「これで前までの課に戻る」
口々に課員達が言うのを聞きながら、三山は心地良さを感じてはいたが、心中は少し複雑であった。自分の後を引き継いだ下山課長が、テロの犠牲者になった事から、こうして再び復職出来た事実に、手放しで喜べない気持ちが働いた。
「三山課長、手代木局長がお呼びです」
内線電話を受けた課員が告げた。
「直ぐに伺うと伝えて」
連絡が入って五分後、三山は局長室の扉をノックした。
「ご無沙汰して居りました」
手代木と顔を合わすのは久し振りだ。
「堅苦しい挨拶は抜きにしよう。いきなり本題だが、川合俊子の件、君が捜査キャップとなって事件解明に当たって欲しい」
「はい!」
思いもよらぬ話であった。
三山は満面に笑みを浮かべ、手代木に何度も頭を下げた。



