「君は、銃撃の件とその件を別だと思っていたのかい?」
「ええ」
「理由は?」
「だって、私が銃撃されたのは、死んだ川合さんと三枝君から相談を受けた後で、暴漢に襲われたのはそれ以前よ。まだ何も関わっていなかったんだもの」
「例の件とは別に、ちょくちょく二人とは会っていなかった?」
「いえ。私が異動してから、暴漢に襲われた時までは一度も会っていないわ」
「その暴漢に見覚えは無いと、渋谷署でも供述していたようだけど、どんな感じの男だった?」
「わざわざ渋谷署にまで行ったの?」
「ああ」
「そう。何だか事情聴取を受けているみたい」
「これでも刑事だからね」
「珍しいわね、貴方が冗談を言うなんて。……調書の供述、本当は違うの。死んだ三枝君は、渋谷駅で私を襲った暴漢に気付いたとなっているけれど、本当はもっと前から私は後をつけられていたみたい」
「なぜその事を隠した?」
三山はどう説明しようかと暫く考えた。あの時は、加藤と有楽町で会っていたのだが、その事を河津に説明するのに、妙に意識してしまう自分が居た。その感情の動きに、三山は意味も無くうろたえてしまった。
河津は、彼女の微妙な心の動きに気付きながらも、気付かないふりを装い、話の続きを促した。
「ええ」
「理由は?」
「だって、私が銃撃されたのは、死んだ川合さんと三枝君から相談を受けた後で、暴漢に襲われたのはそれ以前よ。まだ何も関わっていなかったんだもの」
「例の件とは別に、ちょくちょく二人とは会っていなかった?」
「いえ。私が異動してから、暴漢に襲われた時までは一度も会っていないわ」
「その暴漢に見覚えは無いと、渋谷署でも供述していたようだけど、どんな感じの男だった?」
「わざわざ渋谷署にまで行ったの?」
「ああ」
「そう。何だか事情聴取を受けているみたい」
「これでも刑事だからね」
「珍しいわね、貴方が冗談を言うなんて。……調書の供述、本当は違うの。死んだ三枝君は、渋谷駅で私を襲った暴漢に気付いたとなっているけれど、本当はもっと前から私は後をつけられていたみたい」
「なぜその事を隠した?」
三山はどう説明しようかと暫く考えた。あの時は、加藤と有楽町で会っていたのだが、その事を河津に説明するのに、妙に意識してしまう自分が居た。その感情の動きに、三山は意味も無くうろたえてしまった。
河津は、彼女の微妙な心の動きに気付きながらも、気付かないふりを装い、話の続きを促した。



