非常階段を駆け下りた。
傷口から血が滴り落ちる。
血の気が失せて行くのが、自分でも判った。
警備員が加藤の横を走り抜け、外へ通ずる扉を開けた。
外へ出ると、片足を引き摺りながら、駐車場との垣根を乗り越えようとする男の背中が見えた。
警備員が腰の警棒を抜き、男に向かって走り寄った。
振り上げた警棒を男に叩き付けようとした刹那、男の身体が宙を跳び、警備員へ回し蹴りを放った。
蹴りは警備員の顎を見事に捉えた。
もんどり打って倒れる警備員の顔を、今度はサッカーボールキックで蹴り上げた。
バシッという鈍い音とともに、血反吐が飛んだ。
加藤が男ににじり寄る。
サイレンが止まった。
パトカーが到着したのであろう。
「もう観念しな」
加藤が声を掛けると、男は不適な笑みを浮かべながら、
「無理だ……」
と呟いた。
「そうだ、もう逃げられねえよ」
「違う……あんたの事だ」
男のナイフが、月明かりに照らされた。
傷口から血が滴り落ちる。
血の気が失せて行くのが、自分でも判った。
警備員が加藤の横を走り抜け、外へ通ずる扉を開けた。
外へ出ると、片足を引き摺りながら、駐車場との垣根を乗り越えようとする男の背中が見えた。
警備員が腰の警棒を抜き、男に向かって走り寄った。
振り上げた警棒を男に叩き付けようとした刹那、男の身体が宙を跳び、警備員へ回し蹴りを放った。
蹴りは警備員の顎を見事に捉えた。
もんどり打って倒れる警備員の顔を、今度はサッカーボールキックで蹴り上げた。
バシッという鈍い音とともに、血反吐が飛んだ。
加藤が男ににじり寄る。
サイレンが止まった。
パトカーが到着したのであろう。
「もう観念しな」
加藤が声を掛けると、男は不適な笑みを浮かべながら、
「無理だ……」
と呟いた。
「そうだ、もう逃げられねえよ」
「違う……あんたの事だ」
男のナイフが、月明かりに照らされた。



