だから行かないでよ。

あの子のところになんか行かないでよ。





私の言葉に修弥は苛立ちの表情から、急に真面目な顔になった。

お願い、修弥。



大きなため息をついて、少し考えて――…



「何いってんの。ほんっと今日のお前意味わかんねえ。


勝手にしろ」





そのまま私に背を向ける。


「しゅう――…」


行かないで、向こうに行かないで!

離れていかないで。





行かないで!




―――キイィ…!ドン!


何度も聞かされる音が、響き渡る。