「はい」

その電話は、何か分からないけれど、今日が終わる電話でしょう?

「え?や、今日は――…えー?」

修弥が言葉を発する度に、私の胸が大きく動く。

「まじで?あー…わかった…じゃあ今から行くわ」

「ダメ!!」

思わず――そう叫んだ。
叫ばずにはいられない。

多分、私の顔は今、真っ白なんじゃないかと思う。


「なんだよ、実結」

「…用事が、出来たから今日は…なしって…言うんでしょ?」

声が震える。

「あーわかったんだ…まあ、そうなんだけど…わりい」

そんなのどうだっていい。
だけど――今行ってしまったら、そのまま…私の記憶にある通りになってしまうんじゃないの?


それは…ダメ!

「そんなすねんなよ、また来週にでも一緒に行こうぜ」

「…ダメだって!ヤダ!絶対ダメ!」

これは――譲れない。
今日、一緒に過ごしたら何事もないんじゃないの?

わかんないけど、行かせちゃだめな気がする。



「事故に遭うから――…」

こんなこと言っても仕方ないし、絶対だなんて保証はないけれど…だけど


「は?なんで」

私の言葉に、眉を歪ませて不思議そうな顔で私を見た。