死の間際 娘の口が動いたように 見えました きっと何か言いたいことが あったのでしょう 聞こえませんでした けど何を言ったのかは わかります 家族ですもの 娘がこれだけ立派な最後を迎えたのに 父親が感情のままに取り乱すわけには いきません 娘に笑われていしまいます だから僕も立派に娘の最後を見届けたいと思います 僕は娘の手を握り 微笑みかけながら言いました