NEXT ONEの収録を三日後に控えた日の夕方。一通の速達が届いた。

 差出人の文字が香坂玲とあったのを確かめると、慌てて封を切った。

 おそらく、パソコンを使って自分で打ったのだろう。

 いきなり、ごめんなさい、という文字があった。

『……本当にみんなには迷惑をかけちゃって。

 あのとき、きっとぼくはおかしくなっていたんだ。

 あんなこと、今までなかったのに、自分の気持ちが勝手に動いちゃったんだ。

 ぼくは、ものすごく後悔している。

 なっちゃんを傷付けて

 みんなが帰ったあと、ちゃんとなっちゃんと話したよ。

 何度もなっちゃんは謝っていたけれど

 悪いのはぼくの方だったんだ。

 ようすけに言われたこと

 今になってわかった気がする。

 みんなといっしょに歌いたい。

 スタジオで歌った時のように

 ようすけと歌った時のように

 ようすけ許してくれる?

 またいっしょに歌ってくれる?

 テレビに出れなくてもいい。

 CDなんか出さなくてもいい。

 ぼく、歌いたいんだ。

 歌えればいいんだ。

 お願いだから、これからも一緒に歌って』



 読み終えた私は、思わず目頭を押さえていた……。