音楽を小説の題材にする事の難しさを改めて感じた作品になりました。

 文章だけでどう表現するか……

 覚束無い音楽の知識……

 自分の中にあるノスタルジックな部分と、新しいものをどう繋ぎ合わせて行くか、と何だか理屈のようなものを捏ねてますが。

 実際は、あっという間に出来上がった物語でした。

 作品に繋がるきっかけは、幾つもありました。

 それらが、ある時ふと融合しあって、主人公が生まれ、物語が出来上がったのです。

 結構、作者自身が楽しんで書いていた感がありますが、ただ一点、詩の部分で手間取りました。

 自分で書いたものですが、それが果たして本当に『香坂玲』の詩になっているのだろうか?

 十七歳の多感な少女の想いが込められているだろうか?

 言葉は?

 それらの疑問、自分の文に対する拙さを補うべく、相談したのが、以前から私のファンで、詩を主に書いていらっしゃった村上なおこ様でした。

 私の無理なお願いにも嫌な顔せず(見えないのに…苦笑)原文から意図を汲み取って頂いた上で、新たな詩に生まれ変われたのです。

 この場をお借りして、ご協力頂きました村上なおこ様に感謝の言葉を述べさせて頂きます。

 ありがとうございました。

 こうして、今回もファンの方々の後押しがあって作品を生み出す事が出来ました。

 これからも、いろいろなジャンルに挑戦し、皆様に面白いと言って頂けるような作品を創り出して行きたいと思っております。

 最後に、チャップリンが生前インタビューで答えた言葉を

「あなたにとって、一番の作品とは?」

「それは、次回作だ(Next one)」


  脱稿 2010.5.30 PM2:25