爆走★love boy

その時点ですでにお母さんへの自己紹介は終わっていたらしい。




自分の知らないところで仲良くなっている2人を見て、なんとなく複雑な気分になる。




どうせなら、私がちゃんと先輩の事を紹介したかった。



『私の彼氏です』



なんて言って、お母さんは樹先輩のかっこよさに驚くんだ。



「なににやにやしてるのよ。遅刻するわよ」



妄想が膨らむ私の背中を押して、お母さんがそう言った。



そうだった、遅刻しちゃうよ!



我に返った私は慌てて靴をはき、先輩とともに家を出たのだった――。