片方のイヤホン
零れおちる甘い声
夕日の熱に目を細めたきみが
「くだらないラブソングね」
とつぶやいた

夕焼け
自転車
二人乗り

川沿いはいつも通り
穏やかでまぶしくて

どちらにもなれないぼくらを
微笑みながら嘆いてる


「くだらないラブソングね」

ぼくの背中に寄りかかる君が

涙交じりにつぶやいた



夕焼けはいつだって

ぼくらを置き去りに

不器用なやさしさしか くれない