アキ様は何の苦もなくあらゆることに才能を発揮された。

武術を習えばすぐにコツをつかみ、師範さえ舌を巻くほどの上達振りを見せ、政治にも聡く大人たちが迷っていることにも即断を下せるほどの先見性を持っていた。

カムナキとしての資質も十分で、週に一度カムナキ予備軍の子供たちが集まる修行の場でもその才能は遺憾なく発揮された。

普段のアキ様は、どこか冷めた感じがし、いつも難しい顔をして何か考え込んでいるのだが、このときばかりは同じ年代の子供たちが集まるということで子供らしさを見せていた。

私はそのアキ様の表情を見ると何故か心が安らぐ思いがするのだった。