アキ様は、七歳の少年とは思えないほど時に答えに詰まるような質問を投げかけてきた。

「アキ様。何もおかしなことなどないのですよ。アキ様も大人になればわかります。早く、大人になって私たちを導いてください」

私は、気の利いたこともいえないまま、いつも同じことを繰り返した。

そんな私を少年はいつも悲しそうに見つめるだけだった。

アキ様のその顔を見るたびに、私はなんとも言えない歯がゆい気持ちに陥り、何か役に立てることがないかとさまざまな知識を探求するようになっていった。

しかし、やはりアキ様は私のような凡人とはかけ離れた存在であることは初めからわかっていた。