やっとの思いで、最終目的地の山の頂上へとたどり着いた。

「うわー」

「きれー」

生徒たちは口々に感想をもらしている。

私も山の頂上から周囲を見渡す。

そして思いは自然とアキと出会った世界へと飛んでいく。

この山があの世界を覚えている。

この山には、まだアキの息吹が残っている。

「アキ、私あなたのこと絶対に忘れないから。ずっと覚えてるから。だから、どうか無事でいてね……」

私はそっと呟き、アキのために最後の涙を流した……。


【ハルカの章 完】