涙がこぼれそうになるのをごまかすように上を向いた。

「いい、天気だね……」

巴も一緒に空を仰ぐ。

「そうだねー。これが終わったら、また受験勉強が待ってると思うと気が滅入っちゃうけどね。はぁー」

巴はあまり物事にこだわらない。

もう、すでに別のことに気が向いている。

友人のこのさっぱりした性格には、いつも助けられている。

元気よく再び歩き出した巴に気づかれないように、そっと涙をぬぐうと私もその後を歩き出した。