「アキ、嫌だよ、アキ。ねえ、アキ、アキ、アキーー!!!!!」

何か恐ろしいことがアキに起こってしまった。

私のせいで。

私はアキの役に立ちたいだけなのに。

どうしたらアキを助けられる。

ねえ、誰でもいいの。

私の願いを聞き入れて欲しい。

私はどうなってもいいから、どうか、どうかアキのことを助けて。

強い願いに応えるように体の中を何かが貫けるような感覚を覚え、私の意識はそこで途切れた。

アキの無事をひたすら願いながら……。



【トヨの章】・完