まるでその変化に気づきもしなかった。

まず目に付いたのは、痩せこけて今にも倒れてしまいそうな人々。

しかも、その人々も女子供しか見当たらない。

男たちはどこに行ってしまったのか。

そして、ところどころに見受けられる妖の気配。

それぞれの国にはカムナキが存在しており、彼らが国の防衛である結界を張っているはずだ。

しかし、今はそれすらも感じられない。

他国の私の侵入さえもやすやすと許してしまっている。

これでは、もうすでに国とはいえない。

この現状を一刻も早く集落に戻って報告をしなくては。