すたんだっぷ!!



肩より少し長めの黒髪ストレート。目も大き過ぎずに優しい二重が印象的。鼻もすっと通っていて、笑顔に全然嫌味がない。



女のアタシでも思わず見とれるぐらい、キレイな顔立ちが珍しすぎて、思わずじぃーっと見つめてしまっていた。



「知ってたりする?」



って彼女が言うのを遠い世界の果てからポツンと耳に聞こえた気がして、慌てて会話に意識を戻した。



「あ、たぶん、だけど分かるかも。話したことないけど、背高い子だよね?」



由香利ちゃんの記憶が間違ってなければ、この前身体測定の時「また伸びたあ~!!!」って悔しがってたモデル並のスタイルの子がいた気がする。たしか170ぐらいの・・・



「そうそう!背高い子!由香利天然でオモロイんだぁ~すごいいい子だよ~。」



どうやらアタシの脳みそはまだ腐ってなかったみたい(笑)由香利ちゃんのことを嬉しそうに話す彼女がなんだか最初に見た時よりもっとかわいく見えた。



「そーなんだぁ。なんかちょっと分かる気がする(笑)この前の数学の時間、確か当てられた時寝たフリして先生にバレてた。」



話しながら思い出したよ。なんだか数学の濃いキャラの先生に思いっきり突っ込まれてたわ。「お前さっきまで起きてたろっ!?」って(笑)



「プッ!!由香利なにやってんの(笑)相変わらずだわ~あの子中学ん時から数学大っきらいだから。あー初っ端からやってくれるね!」



ケラケラ大っぴらに笑う姿も好印象。おしとやかに口とか手で隠しながら笑いそうな雰囲気するのに。真逆だった。



「あの子と絡んだら絶対ウケルからっ!おススメするよ。」



なんだか由香利ちゃんの話題で盛り上がった私たちは、その日の帰り地元もそう遠くないことから一緒に帰った。



そして、その日から彼女がアタシの高校生活で最も欠かせない友となることを、少しだけ予感したのは間違いじゃなかったと思う。