夕紀とあたしは高校に入ってからの友達。まあ大抵の友達がそうなんだけどね。うちの中学からこの高校に入ったメンバーが少なすぎるのもある。
入学当初、部活見学で一際声を掛けられていた彼女。それを遠くで大変そう。なーんてぼんやり思ったのがたぶん彼女を初めてみたとき。
その後色々考えた結果、前からやりたかった硬式テニス部に入ることにしたあたし。
部活の雰囲気も明るくて楽しそうだったから入部するときはわくわくした。
いよいよ新入部員が決まってからの一番最初の自己紹介のとき、隣に座っていたのが夕紀だった。
「ねぇねぇ、クラス何組?」
体躯座りしながらこちらに顔を向けて話しかけられたのが最初。すごく自然に笑顔を向けてくれてる。
「あ、あたし?1組。」
まだ高校始まったばかりで、クラスの友達も少ししか出来てないときだったから、突然話しかけられることに慣れてなかったので緊張のあまりどもった。
部活で友達を早く作りたかったから余計にチャンスを目の前にするときは緊張感が増す。
こんなとき高校ならではの7組とかその辺を言ってみたかった。1組なんてどんな学校でもあるのにぃぃ!1組とか味気なさすぎるっ!
「そうなんだぁ~あ、じゃあ由香利と一緒だね。佐山由香利っていうんだけどその子、同中なんだ~。」
あたしのドモリにもツッこむことなく、ニコニコしながら話してくれる彼女。ていうか、今頃気づいたけど、この子めちゃめちゃ可愛くないかっ!!!!?



