キーンコーンカーンコーン~♪キーンコーンカーンコーン♪
7限終了の合図。
と、ともに一斉に駆け出す運動部諸君。特に野球部とバスケ部の瞬発力は半端ない。一刻も早く部活へ行きたくてしょうがないらしい。
あたしの場合うちの部活はゆる~く始めるから、仲間もみんなゆっくりしてる。まぁテニスやってるときはそういうわけにもいかないけど(笑)
鞄に荷物を詰めてると教室のドアから顔を覗かせる相棒が現れた。
「はーるっ♪部活行こ!」
満面の笑みを浮かべて首をちょこっと傾けている彼女。教室を出てく男どもはちら見しながら彼女の笑顔にノックアウトされているのをアタシは知ってる。
ちなみに野郎どもの間では彼女はミス・ビューティと呼ばれてるらしい(笑)本人に言ったときは「意味分かんない。」と冷めた表情でバッサリ切っていた。
「んーすぐ行く!もうちょい待って~!」
そう応えると、ニコニコしながら我が教室へと入ってくる彼女こと、下條夕紀(ゆき)は
隣のクラスで部活仲間。そして部内で一番のアタシの相棒。
「ほら早く~10-9-8-7-「「はいはいっ!終わった!」」
こうやってS気もある毎年ミスコン候補様(笑)
夕紀に煽られてさっさと部活へ行こうとすると、、
「あ、ハルお弁当箱忘れてる。」
教室をあと一歩で出るというときに、あたしの机のフックに指さした。
「あ、そういえばない。」
もぉー仕方ないなぁと呆れながらも机まで行って弁当袋を取って来てくれる夕紀。
「はい!ちゃんと忘れないよーに。」
先生みたいにいう彼女は、やっぱり頼もしい。
そしてお礼はちゃんと言う。
「あーざっす夕紀サマ!」
夕紀はまたニコっと「よろしい」と得意げに笑った。



