すたんだっぷ!!



ものの10秒もしないうちに戻ってきたヒロちゃん。



待ってましたと言わんばかりに弁当に入っていた大好物の唐揚げをがっつり箸で突き刺し、口の中へ放り込んだ。


「〜〜〜くうぅぅ!!!!んまいっ!」



こんだけ幸せそうに食べてもらえるならブラックホールへ飲み込まれた唐揚げもさぞや本望だろう。



その様子を見守っているうちらはいつものように「よかったねぇ。」と口をそろえて目を細めた。




取り留めもない話をする中、ふと思い出したように真帆やんが言う。



「そういえばさ、この前のシンケンの模試…あれマジ最悪だったんだけどー。」


実に、思い出したくない過去。



「んな大丈夫だってぇ〜今はまだ。アタシなんてさー調子乗って立海大第一志望にしたらEだったし!(笑)

てゆーかE判出る時点で冗談でも書かなきゃよかったわー。あれはマジ悲惨すぎた!」


ヒロちゃんの暴露もある意味凄い。立海大とは、国内の私大でトップ3に入る名門大学。

あたしなんてぶっちゃけ書く勇気すら出ない。もしも志望に入れたとしても、ヒロちゃんのE判より絶対酷い結果だと思う。


「まーねー。今のうちだけだもんね、こうして笑っていれんのも。正直、3年のこの時期だったら冗談キツいっしょ。」


真帆やんの言う通りだ。



2年だからって余裕こいてたら、すぐ3年になって、あっという間にセンター…入試、、、



そんな風にどんどん人生進んでくんだろうな。



ていうか来年のいまの自分とか想像もつかない。



模試の結果も親に見せてないし。(どうせ三者面談でばれるから。)



いまはどんな判定でも、笑って済ませられるけど…




なんだか先を考えるのは、怖いな。