いっちゃんに呼ばれ、女バスのみーちゃんと里香ちゃんが前に出る。


基本的に部活仲間は仲良いけど、特に女バスは結束が固い。


いつも楽しそうに部活に行く姿が目に浮かぶぐらいだから、よっぽどバスケが好きな子ばかりなんだろう。



だから、みーちゃんと里香ちゃんは教室でもずっと一緒。ふたりが揃うと漫才コンビみたいでおもしろい。ノリがいいんだよね。



「やだぁー里香と同じがいいー!!センセ一緒にしてよ~」



みーちゃんは二人別々になることを分かっていても、いっちゃんに駄々こねる。けど、全然ぶりっこみたいじゃないから不思議だ。



ショートカットの涼しそうな髪も、さすがにこの季節は寒いのか、肩を上げ、顔にくっつけながら身体を揺すっている。



「だーめ。お前らは別々」



いっちゃんは表情を変えずに答える。



「・・だって。残念(笑)」



里香ちんはクールに笑う。それがまたいい。



「ちぇーじゃ里香には負けねー」


「こっちも、みーには負けねー」



相変わらず空気が和むってゆーか微笑ましいってゆーか。


うちらの体育はいっつもこんな感じでユル~い。


「えー次、元バスのヤツ出てこーい。ミニバス経験者含むかんなぁー」


同中だった子に指名されしぶしぶ出て行く菅っち。うげーって感じの顔して、ホントに面倒そう(笑


そして、中学までバスケやってた咲ちゃんもヘラヘラ笑いながら前へ向かう。