単語テストで撃沈したのに、落ち込んでる暇もなく授業は始まった。
「教科書はー36ページの11行目からでいいですね?」
あらかじめ、自分の教科書にチェックをいれておいた印を、一番教卓に近い席の子に担任は尋ねる。
そして、彼女がうんうん。と頷いたのを確認し、
「それじゃあ、今日は25日なので・・竹中さん。ここの段落の和訳を前のホワイトボードに書いて下さい。」
いよいよキター!!!片平はあたしの方を見て、淡々といつものように訊いてきた。
「予習、してきたよね?」
目が怖い。怒ってるのか、そうじゃないのか読み取れない表情。
「は、はい!」
緊張のあまり声が上擦った。恥ず!
「じゃあ、前出て。早く書いて。」
ちんたらすんじゃねーよ的なオーラ出まくりですけど、先生。
まぁ、従う他ない生徒も生徒だ。
「・・はぃ。」
心なしか、そういう一言一言勘に触る。
席を立って、隣の希美ちゃんをちらりと見ると、彼女は口パクで「ガンバッテ。」と言ってくれた。
ノート借りて、応援してくれて、あぁ、ホントあたしって情けない。
とりあえず、指示された通りに前に出て、希美ちゃんの訳した所を写させてもらった。
自分も一応予習したところだったので、覚えがあるフレーズなどに安心した。



