あの日から二週間後。

あたしたちは夏休みに入った。


そんな夏休みに入って5日ほど経ったその日、あたしは蓮くんに会った。

……と、この時は思っていた。


「あ、蓮くんとお兄さん?」


公園の自販機で飲み物を買っているらしい二人を見つけた。


「あ、あの時の……」

「あ?誰が蓮だって?」


……そこには、別人のような蓮くんがいた。

……じゃなくて、本当に別人なのかもしれない。


「えっと……リンくん?」

「蘭だよ。蓮の弟、初めてか?」

「あ、はい」


お兄さんとまともに会話したことは初めてで、少し緊張する。