「蘭に……亀井さんに、感謝しきれないほど、感謝してる」

「蓮くん……」

「もう朝だね。とりあえず寝ようか」

「うん……え?」


寝ようか……なんて言ったけど、ここ蓮くんの部屋だよね?

それでもってそれでもって、あたし、帰らなきゃいけないんじゃないの?

でも蓮くんは掛布団を押し入れから引っ張り出してきて、床に座って、寝っ転がって、布団を掛けて――。


「あぁ、ベッド使っていいよ」


……なにぃっ!?


「れ、あ、れ、は、あ、う、へっ!?」


クスクスと蓮くんに笑われたけど、あたしはパニックでそれどころじゃない。


「大丈夫、なにもしない。だから蘭だって出て行ったでしょ?」


へ?

蘭くん?