イジワルな恋人〜番外編〜



「奈緒!

昨日はごめん!!」


翌日、奈緒に会うなり梓が謝った。


「…昨日何かあったけ?」


本気で分からない様子の奈緒に梓が顔を上げて

少し気まずそうに笑った。










「関先輩があたしを好きな訳ないじゃん(笑)」


事情を聞いた奈緒が一番最初に言った言葉。


「だってさぁ…」


怒らなかった奈緒に安心しながら
梓が子供のような声を出す。


「関先輩のあたしを見る目は…

同情に近いよ。


あたし、同情とかそうゆうの事件以来いっぱいされたから結構分かるんだ」


微笑んだ奈緒の笑顔が少し寂しそうに見えた。


「…自分に恋愛感情を持ってるかどうかも結構分かる。

だから…
やっぱりそうゆう目であたしを見てる男の子は今でも苦手ってゆうか

…恐い」


「…桜木先輩がいるのに?」


梓の問いかけに黙った奈緒が

少しだけ微笑んで答える。



「亮がいるから…
恐いのかもしれない」


梓にはよく意味が分からなかったが奈緒は梓から目をそらして続けた。


「大切な人がいなくなるのが…恐いの。

もしも…
あたしのせいで亮やおばあちゃんがって思うと…


恐くて仕方ない」




…ずっと


桜木先輩に会ってから奈緒はもう乗り越えたんだと思ってた。



よく笑うし、何でも話してくれるようになったから…



でも…

違ったんだね…


奈緒は今でも…

色々な思いと闘ってるんだ…


周りに笑顔を見せながら。



「ってゆうか、自意識過剰だけど(笑)」


さっきまでの表情とは一転して
明るく笑う奈緒に梓も笑う。


「本当だよ(笑)

自分がかわいいと思っちゃって。


…もうあんな事件二度と起こらないから。

安心して桜木先輩の隣で笑ってればいいんだよ」


梓の言葉に奈緒は何も言わずに微笑んだ。



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