置いてきたはずの記憶が
蘇った
僕の意思とは裏腹に
微かに香る潮風
奥底から響き続けて
この胸を締め付ける音
一生分の幸福
いつの間にか
使い果たしてしまったよ
落し物を探すように
ずっとあの日々の僕の背中を
追いかけていた
涙が出るほど笑ったこと
ケンカした後の仲直り
夕日に染まる校庭
ふたりの帰り道
ホントの僕がいた
どこか矛盾している今日
目を閉じて、問いかける
大丈夫?ちゃんと見えている?
泣き出しそうになる気持ち
精一杯堪えて
澄んだ空を見上げるのは癖
心配ない、大丈夫。
僕の位置を確かめて
足場が揺らぐことなきよう
拳握り締め
再び地面を踏みしめる
明日の僕が
情けない面
しないように



