「すごーい、この字、達筆だね!」 ピンクの付箋を マジマジと見てる実。 「そうなのよ~、今時の若い子にしちゃ、素晴らしく達筆でしょ~」 「市居珠樹か~、イイ名前ねぇ」 「じゃ、私、今日は帰るわね、 実、生放送、遅刻しちゃダメよ~」 「ありがと、美耶子もがんばって~」 この時、私は、最大のミスを犯したことに、気がつかなかった。