日は傾き、あと30分もすれば橙(だいだい)に色付くだろう。

母さんが再婚してから変わった帰路も、徐々に赤く染まっていく。


そんな様子ももう見慣れてきた。


最初は違和感しか無かった景色も、思っていたより早く慣れた。



きっと、こいつの所為だろうな。



そう思い、俺は隣にいる女のぬくもりを強く握った。



「英治? どうしたの?」

つないでいた手を強く握られ、驚いたのかめぐみは俺の顔を覗き込んで聞いてくる。