家の前まで来た俺とめぐみは、そこで突っ立って息を整えていた。

流石にその頃には理性を取り戻していた俺は、何か言わなきゃなーと思いながらもその言葉が思い浮かばず、ただ黙っていた。


でも、めぐみから何か言ってくれるわけでもない。


俺は考えた挙句、まだ息を整えているめぐみに「大丈夫か?」と聞いた。

すると突然――。


「何が『大丈夫か?』よ!? 大丈夫なわけないでしょう!!」


怒られた。


「何、なんであんなことしたのよ!? しかもあんなに人がいる前で!!」

はっきりとは言わないが、キスのことを言ってるってのは分かる。