めぐみが俺に恋してる証拠なんか一つもない。 家族として、義弟として好きなだけなのかも知れない。 そんな不安から、もしかするとこいつらにめぐみを取られてしまうかもしれないという思いが心に芽生えた。 不安を養分にして育つその芽は急速に生長して……。 そして、俺は感情のおもむくまま行動してしまった。 何かを言おうと意を決しためぐみ。 そのほのかに赤く色づく唇から言葉が出る前に、俺はそれを閉ざした。