英治……。 助けに来てくれたことで、今度は別の涙があふれそうになる。 こうなった原因は英治だけど、このときは来てくれたことが素直に嬉しかった。 「ったく。エイジ、お前タイミング悪ぃんだよ」 「そうそ、これからいいところだったのによぉ」 赤髪男と口ピアス男が英治の方を振り返りながら言った。 二人が振り返ったことで、あたしの今の姿が英治の目に触れる。 睨むようにつり上がっていた目が、驚きを表すように見開かれた。