そんな俺をよそに、会話は三村を中心に盛り上がっていく。

「三村、今何やってるの?」

「普通にOLだよ」

「どこ住んでるの?」

「一応、都内」

「へー、彼氏は?」

「いるよ。同棲中」

 聞こえた瞬間、思わず顔をうかがった。

 これだけキレイになれば彼氏くらいいて当然なのに、ショックだった。

「マジで? 結婚しないの?」

「まだかなぁ。あ、ユキちゃん結婚したんだよね。おめでとう」

「ありがとー」

 積もる話は絶えず、それぞれの人となりなどを語っていく。

 俺の気なんて知らない三村はカルピスサワーで赤らんだ顔を向け、無邪気に聞いてくる。

「小出は? 結婚しないの?」

「え? 俺?」

 みんなの視線が俺に集まる。

 にやける顔が鬱陶しい。

「俺も、彼女はいるけど……まだだな」