ペアリングを外して


 こうして電話をしている分には、中学時代と変わらなかったりする。

 姉御の三村も好きだ。

 というか、姉御の三村を好きになった。

 その姉御の得意技は蹴りだったのに、今では急に色気を出すこと。

 そんなところはもっと好きだ。

 ひっぱたかれたり、蹴りを入れられたり、中学時代にはこういうことでしか触れ合う機会がなかった。

 今では、互いを脱がせ合う仲。

 やっぱ俺、エロオヤジかも。

「ほんと、何言ってんだろうな、俺。触りたいって、痴漢かよ」

「あはは、でも、嬉しいよ」

「……、あっそ」

 喜んでくれるなら、いいけどさ。

 三村の表現も聞きたかった。

 前回会ってから二週間ちょっとしか経っていないが、俺たちはまた週末に会うことにした。

 週末まで頑張るモチベーションが一気に上がる。

 俺は思いっきり伸びをして会社へと戻った。