そして、数分後。

「おまたせ~」

 湯本が一人の女を連れてきた。

 その女の顔を見た瞬間、俺は手に持っていた生レモンサワーを危うく落としてしまうところだった。

「みんな、久しぶり」

 湯本が連れてきたのは、俺が中学時代に胸を焦がしていた初恋の相手……三村菜月だった。

 メンバーはわあっと盛り上がる。

「三村じゃん! 東京に来てたんだ!」

「つーかすげーイメージ変わったな」

「菜月ちゃん! キレイになったね~」

「あの時は完全に姉御だったもんな」

 メンバーは思い思いに言葉をかける。

 俺は驚きのあまり、声をかけることができなかった。



 当時は校内でも有名なじゃじゃ馬娘だった彼女が……。

 あまりにも、キレイになりすぎて。