今、三村は何をやっているんだろう。

 頭の中には、そればかり。

 ガシガシ頭を洗い、洗面器に溜めた湯をかぶる。

 そうすると少しは俺の未練も洗い流されると思った。

 露天風呂に浸かりながら、スッキリと晴れた空を見る。

 人から見ればデカい俺も、あの広い空に比べればちっぽけな存在だ。

 そんな俺と、もっと小さい三村。

 地元から東京へ出てきて、人口1300万人の中で彼女と再会した。

 どれほどの確立だろうか。

 男女比率が1:1だとして、単純計算で1/650万?

 同じ中学だった歴史。

 同じ東京へと出てきた偶然。

 湯本の人と人を繋ぐ力。

 様々な因果により叶った再会。

 俺は合コンで出会った久美よりも、三村に運命的なものを感じている。

「ふー……」

 俺のため息は、開放された空に消えた。