この手で紡ぐ神の欠片




「今日は前よりフェンリルを呼び出すのに…上手く、速くいったの」

私はうつぶせになって
フェンリルに抱き付くようにした。

肌が温もりを感じた。
冬の冷たさに負けない温かさ。

『それは、体が慣れてきたのでしょうね』

「うん」

普通の人間だったら
慣れないであろう“力”。
私は幼い頃からというのもあり
適応しやすいのだろう。

どんな不可解な出来事も
自然に体に染み込む。

「フェンリル、アタシはあなたが好きだな」

私は目を閉じながら言った。