腰掛けた柵のすぐ後ろ。
太い木の棒がまっすぐ空へと伸びていて、声はその先から聞こえてきた。


『ここのとうもろこしは甘くて栄養もあってとびきり美味しいよ。きっと旅の疲れを、癒してくれるさ』


振ってくるのは、少ししゃがれた声。

そこに居たのは、藁と布で作られたひどく不恰好なかかしだった。