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「へー! ライオン! いいなおれも見たいなぁー!! すぐそこにいるの?」

「心の綺麗なヤツにしか見えねんだとよ。リオには無理だな、腹黒だしな」


「なにソレばかじゃないの」

「んだとコラ」


相変わらずなリオとレオのじゃれあいも、少しずつ馴染んできたような夕食。
作り置きの非常食とそれからライオンが教えてくれた木の実を夕飯に、それぞれ焚き火を囲った。

ライオンも口こそ開かなかったけれど、荷物をまとめた木の側に腹ばいになり、頭だけはぴんと持ち上げて遠巻きにこちらを見ている。

湖に魚は居なかったけれど、とても澄んだその水は体の疲れを癒してくれるという。
そう言われると、なんだかそう思えてくるから不思議だった。

ライオンが美味しいと薦めてくれた木の実は果物に近いもので甘く美味しかった。
お腹も気持ちも満たされた気がした。


「いつものパターンからして、うーちゃんも見えてるんでしょ? どんなカンジ? こわいの??」

「あ、はい、えっと…すごく大きくて、綺麗です」


「へー、きれいなんだ?」

「はい、とっても。森のお月様みたい」


ライオンの居る場所だけ特別な光を発しているかのような、そんな風に見える。
それは一瞬の錯覚のようにも、夜の魔法のようにも感じるから不思議だった。

実際は違うのかもしれないけれど、だけどうららには暗い夜を優しく照らす光のように思えた。