聖花学園~花よ咲き誇れ~2

「フッ……俺もずいぶんと警戒されたものだな」

 近くに行くと、呉羽先生がそう呟くのが聞こえる。


 その口調はどこか楽しそうだ。



「とりあえず、この書類を日付順に並べてくれ。それと折角だから梅井にも何か手伝ってもらうか……」

 と、呉羽先生は寿先輩用の仕事を探し始める。


 この先生、何気にちゃっかりしてるのね……。



「そうだな、このメモに書いてある薬品があの棚にあるか確認してくれ」

「はい、分かりました」

 差し出されたメモを受け取った寿先輩はすぐに棚の方へ行った。


 わたしも指示された仕事をするため、呉羽先生のイスとは別のイスに座って書類を確認し始める。