寿先輩の姿を見た呉羽先生は軽く眉を寄せる。

 明らかに良くは思ってない。


 わたしはこの後どうなるのか予想も出来ず、何も言わずにただ立ち尽くしていた。



「君は? 俺は桂だけを呼んだはずだが?」

 眉を寄せたままで言う呉羽先生。

 綺麗な顔でそんな表情をされると、少し凄味があって怯む。


 でも寿先輩は全く怯む様子も見せず、いつもの微笑みを浮かべて答えた。

「私はフラワーの梅井 寿です。ちなみに花号はハナカイドウ。……私がいては何か不都合でもあるのですか?」


 その答えを聞いた呉羽先生は、「ほぉ……」と小さく呟き目を細める。