特に流依は婚約者という立場でもあるせいか、自分への苛立ちを隠せない様子だ。

 さっきから落ち着かない態度でイライラしている。



 不甲斐ないな……。

 ホント、悔しいよ。



 そう思うと同時に、呉羽先生への怒りが湧き上がってくる。


 可愛い小都子。

 フラワースマイルじゃない普段の笑顔も花のようで綺麗な小都子。

 その笑顔が一番好きだ。



 なのにあの男は、まるで花びらをむしり取るかのようにその笑顔を泣き顔に変えた。


 見つけたときの小都子は、絶望したかのように魂の抜けた顔をしていて……。

 見ていられなかった……。