しばらくして試合が再開されるころ、わたしはグラウンドではなく校舎内にいた。 さっきのちょっとした事故は何とか落ち着かせたものの、そのあと皆で声をそろえて――。 『お顔に傷を残さないで下さい!!』 と力いっぱい頼み込まれた。 だから今、仕方なく保健室に向かっている。 「別にたいした事ないのに……」 血は出ているけど、傷自体はホントに小さい。 別に放っておいても痕は残らないと思うんだけど……。 でもまあ折角だし、消毒して薬つけてもらおう。 そう思って、わたしは保健室へと急いだ。