「アイリス様危ない!!」 その叫び声にハッとし、目の前に近付いてくるボールを見つけとっさに腕でガードした。 ボールはバシッと音を立てて左の二の腕に当たって落ちる。 「いたた……」 当たった場所を右手で擦りながら見ると少し赤くなっていた。 でもボールはゴム製だし、痛みも腫れも瞬間的なものだ。 たいした事は無い。 「大丈夫ですかアイリス様!?」 「ごめんなさい! 私、変な体勢で打っちゃったから……!」 わたしを心配して、皆が試合を中断し近寄ってきた。